もくじ
建築の見積書には多くの工事の種類(工種と言います)、材料の種類、材料費、労務費(材料費と労務費を合わせて材工(ざいこう))と言います)が記載されています。
一般財団法人経済調査会が発行している「積算資料」という雑誌があります。定価3,981円で毎月発行されています。毎月値段が変わるから毎月発行なのです。
しかもエリア別に単価が記載されています。このエリアというのは都道府県別という単純なものではなく、更にエリアに細かく分けられます。
例えば生コンクリートの単価は北海道だけで26エリア。私たちの本社がある岩手県だけでも17エリア別に表示されています。それだけ細分化されている単価なので、当然見積書を見て一概に高い・安いは即答できません。
ちなみに一般的な生コンクリート(強度21/㎡、スランプ18)では、札幌15,500円、函館21,000円、紋別22,950円。盛岡16,200円、宮古21,850円と掲載されています(概算資料2022年10月号掲載)。
また、寒い時期にはこれに温度補正費用が別途生じます。ここに抜き出して記載したのは生コンクリートの材料費だけです。これを打設するための打設手間賃は別途です。建設会社の閑散期か繁忙期でも手間賃は違ってきます。
ここまで書いてお分かり頂けたでしょうか。見積書と睨めっこして、1つずつ概算資料本と照らし合わせながらここが高い・安いと議論するのは現実的ではありません。しかも毎月変わる単価。そして建設会社の状況も刻一刻と変化しています。つまり、単価には正解・不正解はありません。概算資料本や複数社から見積もりを取り、単価を比較しても大幅なコストダウンは期待できません。時間ばかりが経過します。
見積ドクターでは見積書の傾向、そもそもの建設プロジェクトを構成する条件(建物の大きさ、エリア、用途、土地の条件や状態、設備の種類、時期、建設会社の性質や状況、時代、経済状況など)を見極め、適切なコストダウン方法をご提案します。